“奥坊主”の読み方と例文
読み方割合
おくぼうず100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この水浅黄みづあさぎ帷子かたびらはわたしの祖父おほぢの着た物である。祖父はお城のお奥坊主おくぼうずであつた。わたしは祖父を覚えてゐない。
わが散文詩 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
一方、その日の目安箱は、常例のとおり、評定所づきの役人の手から、御小人目付おこびとめつけ奥坊主おくぼうず御用番ごようばんの順をへて、江戸城本丸の将軍家休息の次の間にすえられていた。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私の家は代々お奥坊主おくぼうずだったのですが、父も母もはなはだ特徴のない平凡な人間です。父には一中節いっちゅうぶし、囲碁、盆栽、俳句などの道楽がありますが、いずれもものになっていそうもありません。
文学好きの家庭から (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)