太鼓橋たいこばし)” の例文
太鼓橋たいこばしを渡って、中目黒なかめぐろの方へ、田圃たんぼ道を当もなく行くと、昨夜と違って良いお月様に照されて、その辺の風物までが妙に感傷をそそります。
堤には太鼓橋たいこばしになった石橋がところどころにかかって裸木はだかぎの柳の枝が寒そうに垂れていた。
牡丹灯籠 牡丹灯記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
車は母衣ほろさえおろすほどだったのが、梅雨期つゆどきのならい、石段の下の、太鼓橋たいこばしかかった、かわいた池の、葉ばかりの菖蒲あやめがざっと鳴ると、上の森へ、雲がかかったと見るや、こらえずさっと降出したのに
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
妻「わたしは一度子供たちに亀井戸かめゐど太鼓橋たいこばしを見せてやりたい。」
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ひく太鼓橋たいこばしわたるくらゐ、拭込ふきこんだ板敷いたじきしかもつるりとすべる。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「それは太鼓橋たいこばしばかりぢやないかも知れない。」
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
太鼓橋たいこばしも昔の通りですか?」
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)