大賓たいひん)” の例文
ひとたび安土の大賓たいひんとして家康を待つや、それらの大事もなげうって、心から客を迎え、また全家中の臣もことごとく、その接待のために用いて
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すなわち、五月十五日、府に着いて、安土の城へはいったその大賓たいひんとは、徳川家康、ことし四十一になる人だった。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その夜のさかんな饗宴きょうえんはいうまでもなかった。地方のが中央の大賓たいひんびることは、今も昔もかわりがない。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
数日も前から、寝もやらずに、奉公の誠実まことを尽して、この朝、大賓たいひんの為に清掃して居並んだ主君も、その家臣も、不安の底に沈んだように、色を失ってしまった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
信長としては現職の太政大臣などいう大賓たいひんは、わけて陣中、好まぬ荷もつだったにちがいない。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし劉璋は、彼を軽んじることなく、堂上に請じて、大賓たいひんの礼をとった。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
喬国老の邸では、この大賓たいひんをふいに迎えて、驚きと混雑に、ごった返した。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
信長は、諸国で厄介者やっかいもの扱いにされて来たこの亡命の将軍家を、自身、国境まで出迎えた。城門では、そのくつわさえ取って、大賓たいひんの礼を執った。人はわらうも、彼は、義昭の駒のくつわを取ったとは思うまい。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
寺僧は、突然の大賓たいひんを客院に迎えて、饗応きょうおうにうろたえた。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この安土城に信長が一箇の大賓たいひんを迎えるためであった。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大賓たいひんのお車が見えました」と、家僕が内へ報じる。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)