大屏風おおびょうぶ)” の例文
日本アルプスの大屏風おおびょうぶを背景にして、松本平を前に望むところ——孤影飄々ひょうひょうとして歩み行くあとを、女が追いかけました。
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
正面、奥とのさかいに銀いぶし六枚折りの大屏風おおびょうぶ、前に花梨かりんの台、上に鎧櫃よろいびつが飾ってある。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
その笛吹川沿岸の村々を隔てて、甲武信こぶしたけから例の大菩薩嶺、小金沢、笹子、御坂みさか、富士の方までが、前面に大屏風おおびょうぶをめぐらしたように重なっています。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
青天白日の六千尺の大屏風おおびょうぶの上をくだんの武者修行の先生が、意気揚々として、大手を振って通ると、例の姫の井のところで、ふいにでっくわしたのは、じゃの目の傘をさした
大菩薩峠:25 みちりやの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
藤の花を一面にえがいた大屏風おおびょうぶを引きのけて見ると、手ぎわよくたたまれた縮緬ちりめん夜具やぐ蒲団ふとん
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)