大儲おおもう)” の例文
初雪やこれが塩なら大儲おおもうけ——という発句ほっくを作った奴があるが、あの鯱なんぞは、全部が本物だから大したものじゃないか、がんりき
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
写真をもって世に立つ考え故、今日でいえば浅沼あさぬまの向うでも張る気で大仕掛けに台紙などを売り出したりして大儲おおもうけをしたり、また損もしたりしました。
「おい、大儲おおもうけだぞ」うちへ帰った小田滝三は、昂奮こうふんのあまり息をはずませて妻に云った
季節のない街 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
それでね大奮発おおふんぱつで手製なのですって、お手伝いをさせられるものは大弱りだわ。みんながよく食べるかって? ううん、不味まずくっていやだというものが多いから大儲おおもうかりなの。
松井須磨子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
すると、その次の瞬間には、彼は何か大儲おおもうけをした様な気持ちになって来るのであった。
木馬は廻る (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
その前に大量の蔵匿物を処理して大儲おおもうけをやろうとしている、だがそれは不可能だ、隠匿されている物資はすべて領民に所有権がある、なぜならそれは領民の極端な耐乏生活と
しかるにこの小僧は、人に戦争をさせておいて、自分は重宝ちょうほうがられながら大儲おおもうけをしようとする。いつもながら、こいつの言うことだけでも、人を呑んでかかっているのが、返す返すもしゃくだ。
大菩薩峠:25 みちりやの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「財閥へうまく胡麻をすって、大儲おおもうけに儲けなさいよ」