“夜泊(やはく)” の例文
あるひは大(だい)なる夜泊(やはく)の船の林なす檣(ほばしら)の間(あいだ)に満月を浮ばしめ、その広漠(こうばく)たる空に一点あるかなきかの時鳥(ほととぎす)、または一列の雁影(がんえい)を以てせよ。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
二十七日正午、舟(ふね)岩内を発し、午後五時寿都(すっつ)という港に着きぬ。此地(ここ)はこのあたりにての泊舟(はくしゅう)の地なれど、地形妙(みょう)ならず、市街も物淋(ものさび)しく見ゆ。また夜泊(やはく)す。
突貫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
春の海(うな)ばらもいつかゆったり暮れている。碇(いかり)を下ろし、苫(とま)をかけて、沖に夜泊(やはく)の用意も出来た。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)