声々こえごえ)” の例文
旧字:聲々
ただ今夜と違っておられます事は尼様達のお祈祷いのりの代りにたけりに猛る武士もののふのひしめきあらぶ声々こえごえが聞こえていたことでござります
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
さるにや気も心もよわよわとなりもてゆく、ものを見るあきらかに、耳の鳴るがやみて、恐しき吹降ふきぶりのなかに陀羅尼だらにじゆするひじり声々こえごえさわやかに聞きとられつ。
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
済松寺さいしょうじ祖心そしんあまの若かりしむかしつけたるかねの声々こえごえ
羽子はご手鞠てまりもこの頃から。で、追羽子おいはごの音、手鞠の音、唄の声々こえごえ
雛がたり (新字新仮名) / 泉鏡花(著)