“埼(さき)” の例文
一首の意は、今、参河の安礼(あれ)の埼(さき)のところを漕(こ)ぎめぐって行った、あの舟棚(ふなたな)の無い小さい舟は、いったい何処に泊(とま)るのか知らん、というのである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
オホキビツ彦の命とワカタケキビツ彦の命とは、お二方で播磨(はりま)の氷(ひ)の河(かわ)の埼(さき)に忌瓮(いわいべ)を据(す)えて神(かみ)を祭(まつ)り、播磨からはいつて吉備(きび)の國を平定されました。
また「活きよ」と誓をお立てになりましたら活きました。またアマカシの埼(さき)の廣葉のりつぱなカシの木を誓を立てて枯らしたり活かしたりしました。
苦(くる)しくも降(ふ)り来(く)る雨(あめ)か神(みわ)が埼(さき)狭野(さぬ)のわたりに家(いへ)もあらなくに 〔巻三・二六五〕 長奥麻呂
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
しかるにエウカシは鏑矢(かぶらや)を以つてその使を射返しました。その鏑矢の落ちた處をカブラ埼(さき)と言います。
いづくにか船泊(ふなはて)すらむ安礼(あれ)の埼(さき)こぎ回(た)み行(ゆ)きし棚無(たなな)し小舟(をぶね) 〔巻一・五八〕 高市黒人
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)