垢拔あかぬ)” の例文
新字:垢抜
その頃にしては少したうの立ちかけた二十歳はたち、さして美しくはありませんが、育ちのせゐか垢拔あかぬけがして、娘らしい魅力に申分はありません。
ほねのあるがんもどきかい、ほゝゝゝほゝ、」とわらつた、垢拔あかぬけのしたかほ鐵漿かねふくんでうつくしい。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
垢拔あかぬけのした美しさはありませんが、天道樣が小麥色こむぎいろに色付けをして、一番無造作に拵へ上げたともいつた何んともいへない可愛らしさのある娘でした。
萬次郎は先に立つて、狹いが確りした梯子はしごを二階へ案内しました。こんな商賣によくある、垢拔あかぬけのした五十がらみ、月代さかやきも、手足もいやにツルツルした中老人です。
亭主の幸七は四十五六、小意氣な華奢きやしやな男ですが、何んとなく正直者らしい愛嬌者で、女房のお角は小料理屋の女將おかみらしく、垢拔あかぬけのした、三十七八の、年にしては少し色つぽい女です。
花色の暖簾のれんの奧から、ノソリと出て來たのは、二十五六の青白い男、眼鼻立も尋常で、藝人らしい感じのする垢拔あかぬけのした顏ですが、身體を見ると大佝僂おほせむしで、いぢけ切つた胴に、節高な二本の手と