地蜂じばち)” の例文
昆虫こんちゅうの生活」という書物を読んだ時に、地蜂じばちのあるものが蜘蛛を攻撃して、その毒針を正確に蜘蛛の胸の一局部に刺し通してこれを麻痺まひさせるという記事があった。
簔虫と蜘蛛 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
かんばしいもみの木のまわりで、一条の日の光の中で、物狂わしく回転してる昆虫のロンド、蚊のファンファーレ、地蜂じばちのオルガンの音、木のこずえに鐘のようにふるえてる野蜂の集団の音、または
くま鹿しかいのししなどの野獣の肉を食い、谷間の土に巣をかける地蜂じばちの子を賞美し、さかなと言えば塩辛いさんまか、いわしか、一年に一度の塩鰤しおぶりが膳につくのは年取りの祝いの時ぐらいにきまったものである。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)