地祇ちぎ)” の例文
島の歴代の記録を翻えして見ると、我々が天神地祇ちぎの名をもって神々を総称するところを、沖縄の方では天神海神と呼んでいる。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
よこしまなる人はもちろん話をも防ぎ、ただき道に導き奉り、共に天神地祇ちぎの冥助を、永く蒙り給わんことを願い給うべし。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
神様に天神てんじん地祇ちぎという区別がありまして、すなわち天津神あまつかみ国津神くにつかみですが、その天津神あまつかみとは高天原の神様、すなわち天孫民族の祖神と仰ぐ神様で
もしもお前がこの言葉に違ふなら、天神地祇ちぎの憎しみと怒りはお前の五体にかゝるぞよ。たちどころに、お前の五体はさけてしまふぞ。上皇は押勝をはつたと睨んで、叫んでゐた。
道鏡 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
天神てんじんよ。(天に息を吹く)地祇ちぎよ。(地に息を吹く)わしは永久に友を見捨てませぬ。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
一 天に天神、地に地祇ちぎ、人のに稼業やすな、和をぬくめ合え
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
うるほへる天神てんじん地祇ちぎや春の雨
六百五十句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
朝家の法制にもかつて天神地祇ちぎを分たれたが、のちの宗像むなかた賀茂かも・八幡・熊野・春日かすが住吉すみよし諏訪すわ白山はくさん鹿島かしま香取かとりのごとく、有効なる組織をもって神人を諸国に派し
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)