図書ずしょ)” の例文
旧字:圖書
馬首を揃えて、続いて来るのは、柴田権六、森可成よしなり。——それに熱田の町の入口から人数へ加わった加藤図書ずしょなどであった。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
午まえに来た柏原図書ずしょはそう云った。図書という人は五百石ばかりの国許くにもと留守役で、半三郎とは遠縁に当るという。
(新字新仮名) / 山本周五郎(著)
公、———河内介は、実はあの図書ずしょと云う武士を殺して夫人の計畫を頓挫とんざさせたのを、甚だ残り惜しく思っていたところへ、ちょうど花見の事件が突発したのである。
平岩図書ずしょ、成瀬監物けんもつ、等々の高禄の武士たちは、主人東市正と同席し、まことに上品におとなしく昔話などに興じていたが、若侍たちは若侍たちで、少し離れた別の座敷であたかも無礼講の有様で
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
と、下方左近将監しょうげん、加藤図書ずしょ、早川大膳だいぜんなど無慮むりょ七、八千の兵力をその方へいて、愈〻、本格的な伊勢攻略を開始した。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
父の図書ずしょにはそう云われた。母は涙ぐんだ眼でいつまでもじっとこちらの顔を見まもりながら
日本婦道記:藪の蔭 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
その時衣ずれのおとが急に止んだので、夫人が人声のきこえて来る黒漆塗くろうるしぬりのわくの縁にたゝずみつゝ静かに耳を傾けている様子が推量された。河内介はふところから図書ずしょの密書を取り出して
勝家の帷幕いばくにあり、越軍の名だたる武将のうちの、国府尉右衛門、吉田弥惣、太田内蔵助、小林図書ずしょ、松村友十郎、浅見対馬守入道道西、神保若狭じんぼうわかさ、同八郎右衛門などが
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「次にたずねるが」と滝沢が云った、「伊原友三郎はひごろより御政道を批議し、おのれの意を立てんため御城代佐野図書ずしょどのを暗殺しようと計った、そのほうこの仔細しさいを知っていたかどうか」
十八条乙 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
可成よしなり、柴田権六、加藤図書ずしょ、池田勝三郎信輝——その他の帷幕いばく
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それと共に、彼は馬から降りて、加藤図書ずしょを名ざし
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)