哥太寛こたいかん)” の例文
哥太寛こたいかん餞別せんべつしました、金銀づくりの脇差わきざしを、片手に、」と、ひじを張つたが、撓々たよたよと成つて、むらさききれも乱るゝまゝに、ゆるき博多の伊達巻だてまきへ。
印度更紗 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
哥太寛こたいかんが、——今夜だわね——其の人たちを高楼たかどのまねいて、話の折に、又其の事を言出いいだして、鸚鵡おうむの口真似もしたけれども、分らない文句は、鳥の声とばツかし聞えて、そばで聞く黒人くろんぼたちも
印度更紗 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
此が、哥太寛こたいかんと云ふ、此家ここ主人あるじたち夫婦の秘蔵娘で、今年十八に成る、哥鬱賢こうつけんと云うてね、島第一の美しい人のものに成つたの。和蘭陀の公子は本望ほんもうでせう……実は其が望みだつたらしいから——
印度更紗 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)