じゅ)” の例文
従って日本においても修験道の所為しょいなど道家くさいこともあり、仏家が「九字」をきるなど、道家のじゅを用いたり、符籙ふろくの類を用いたりしている。
魔法修行者 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
さてはこれも一清の妖術攻勢だなと、高廉は必死なじゅを行ってみたが、さっぱり自分の破邪はじゃいんにはき目がない。——時も時、こんなところへであった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
新聞雑誌は初は予を強要して語らしめたが、後にはそう大言壮語せられては困るとか云って、予の饒舌るに辟易へきえきした。昔者むかしは道士があって、じゅとなえ鬼を役して灑掃さいそうせしめたそうだ。
鴎外漁史とは誰ぞ (新字新仮名) / 森鴎外(著)
こんな時こそ、“神行法しんこうほうじゅ”がものをいって、梁山泊中、飛走の術ではこの人の右に出る者はない。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
少しはいんを結びじゅを持する真言宗様しんごんしゅうようの事をも用いたにもせよ、兵家へいかの事であるのがその本来である。
魔法修行者 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
だから、天体中の徳星は、これをあがめ、邪星妖星は、仙術のじゅをもって、封じこめておく。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その周りには四十九の小燈を懸けつらね、中央に本命の主燈一さんを置いて、千々種々ちぢくさぐさの物を供え、香をき、じゅを念じ、また、折々、盤の清水せいすいをかえ、かえること七度、拝伏して、天を祈る。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)