君方きみがた)” の例文
その女の目附めつき如何いかにも心配げなので、学士はわざと微笑ほほえんだ。「あした早く行って、君方きみがたと一しょに朝食あさしょくを食べよう。」
みれん (新字新仮名) / アルツール・シュニッツレル(著)
何処どこる? なに、おうら所在ありか何処どこだ、とふのか。いや、君方きみがたに、それはなしてもわかるまい。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「おれにしたつてさうだが、君方きみがたが持つたところで仕方がない、戰に行く人に餞別にやる。」
日本橋あたり (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
「そりゃ僕の艶聞えんぶんなどは、いくら有ってもみんな七十五日以上経過しているから、君方きみがたの記憶には残っていないかも知れないが——実はこれでも失恋の結果、この歳になるまで独身で暮らしているんだよ」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)