“名子”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なご66.7%
なこ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
阿波の祖谷いや・肥後の五木いつきなどでは、小作人のことを今でも名子なごといっている。名子は名主の属民の義である。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
下人げにん名子なごは他人に所属するもので、大宝令に所謂家人けにん奴婢に相当するものなるが故に、間人よりも一層社会的地位の低いものと認められ、したがってその夫役負担もまた間人の家族と同じく
間人考 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
この男は名子なこという農奴のうどにも劣るひどい生活をつづけているうちに、碌な口ひとつきけないようになり、たまさかものを言うと、つい羽目をはずしてしまうのだろうと思った。
ボニン島物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
清兵衛は大湊の船持ちで四十五歳、庄吉は田名部の名子なこ百姓で五十歳である。
ボニン島物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)