“なこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
那古63.6%
名子9.1%
奈古9.1%
奈子9.1%
那個9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
小菊は親たちが微禄びろくして、本所のさる裏町の長屋に逼塞していた時分、ようよう十二か三で、安房あわ那古なこに売られ、そこで下地ッとして踊りや三味線しゃみせんを仕込まれ
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
この男は名子なこという農奴のうどにも劣るひどい生活をつづけているうちに、碌な口ひとつきけないようになり、たまさかものを言うと、つい羽目をはずしてしまうのだろうと思った。
ボニン島物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
清兵衛は大湊の船持ちで四十五歳、庄吉は田名部の名子なこ百姓で五十歳である。
ボニン島物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
春の潮遠音ひびきて奈古なこの海の富士赤らかに夜明けぬるかな
舞姫 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
「おんちゃん、おんちゃん、かちあるかい、かち、奈子なこちゃんがかちだって」
奈々子 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
しかるに「茫々ぼうぼうたる宇宙人無数なれども、那個なこの男児かこれ丈夫」
貧乏物語 (新字新仮名) / 河上肇(著)