厩戸皇子うまやどのおうじ)” の例文
和尚がことに心をひかれたのは、人皇三十一代用明天皇第二の皇子、すなわち厩戸皇子うまやどのおうじののこした言葉と言い伝えられるものであった。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
承わりますれば、上宮太子厩戸皇子うまやどのおうじ様、百王治天の安危をかんがえ、日本一州の未来記をしたため、この寺院に秘蔵あそばさるるとか。
赤坂城の謀略 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
うまやまえでおまれになったというので、皇子おうじのお厩戸皇子うまやどのおうじもうげました。のち皇太子こうたいしにおちになって、聖徳太子しょうとくたいしもうげるのはこの皇子おうじのことでございます。
夢殿 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
ここいらは厩戸皇子うまやどのおうじの御住居のあとであり、向うの金堂こんどうや塔などが立ち並んでおのずから厳粛な感じのするあたりとは打って変って、大いになごやかな雰囲気を漂わせていてしかるべき一廓いっかく
大和路・信濃路 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
いよいよこの国を開くに当たって、新時代が到来した時、あの厩戸皇子うまやどのおうじが遠い昔にのこした言葉と言い伝えらるるものは、また新時代に役立つことともなった。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)