千古せんこ)” の例文
番目ばんめには露國文豪ろこくぶんがうトルストイはく傑作けつさく千古せんこゆき」とふのと、バンカラ喜劇きげき小辰こたつ大一座おほいちざふのが、赤地あかぢしろいてあつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
千古せんこの雪の下の神秘を探るという事は、人間に許されない事ではなかろうか。又、二川は神秘の扉を開いて、そこに何を見出そうとするのだろうか。
富士は千古せんこのすがた、男の子の清いたましいのすがた、大和撫子やまとなでしこ乙女おとめのすがた。——日本を象徴しょうちょうした天地に一つのほこり。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
谷に沿うたところにはさわらが多くございますが、奥へ行くとひのきが多いのでございます、千古せんこ斧斤ふきんを入れぬ檜林が方何十里というもの続いているところは、恐ろしいほどの壮観でございます。
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
燦然さんぜん千古せんこに光る東洋文学の巨篇きょへん源氏物語の価値は今さら説く必要もない。