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北叟笑
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ほくそえみ
ふりがな文庫
“
北叟笑
(
ほくそえみ
)” の例文
両手で受け取った猪右衛門は謂うところの
北叟笑
(
ほくそえみ
)
、そいつを頬へ浮かべたが、「これで取引は済みました。ではお嬢様え、ご免なすって」
南蛮秘話森右近丸
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
手足の動かぬを何にかせむ、
歌妓
(
うたひめ
)
にも売れざるを、
塵塚
(
ちりづか
)
に棄つべきが、目ざましき
大金
(
おおがね
)
になるぞとて、
北叟笑
(
ほくそえみ
)
したりしのみ。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その顔附から見て、彼の予測や見積りや思案は、どうやら上々の首尾であったらしい、それというのも一々その思いが絶えず満足そうな
北叟笑
(
ほくそえみ
)
の跡を残してゆくからである。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
彼はことごとく満足して、思はず露骨な
北叟笑
(
ほくそえみ
)
を洩らしたのである。
吹雪物語:――夢と知性――
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
という
顔色
(
がんしょく
)
で、竹の鞭を、ト
笏
(
しゃく
)
に取って、
尖
(
さき
)
を握って
捻向
(
ねじむ
)
きながら、帽子の下に暗い額で、髯の白いに、金が
顕
(
あらわ
)
な
北叟笑
(
ほくそえみ
)
。
露肆
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
何んにも言わず急にものもいわれないで
瞻
(
みまも
)
ると、
親仁
(
おやじ
)
はじっと顔を見たよ。そうしてにやにやと、また一通りの笑い方ではないて、
薄気味
(
うすきみ
)
の悪い
北叟笑
(
ほくそえみ
)
をして
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「行く処が無えというんだよ。」「や、
此奴
(
こいつ
)
太々
(
ふてぶて
)
しい、
乞食
(
こつじき
)
非人の分際で、今の言草は何だ。
夫人
(
おくさま
)
の御恩を忘れおったか、
外道
(
げどう
)
め。」と声を震わし、畳を叩きていきまけば、ニタニタと
北叟笑
(
ほくそえみ
)
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「いずれ帰ったら奢らせることに致しましょうよ。」と
北叟笑
(
ほくそえみ
)
をする。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
といい果てて
親仁
(
おやじ
)
はまた気味の悪い
北叟笑
(
ほくそえみ
)
。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
北
常用漢字
小2
部首:⼔
5画
叟
漢検1級
部首:⼜
9画
笑
常用漢字
小4
部首:⽵
10画
“北叟”で始まる語句
北叟