前厄まえやく)” の例文
前厄まえやく本厄ほんやく後厄あとやくと三年網を張って待っていれば何か病気が引っかかるよ。チブスになってやるぞ」
親鳥子鳥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
叔父は父の弟で、わたくしの母よりも五つの年上で、その頃四十一の前厄まえやくだと聞いていました。
蜘蛛の夢 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
二十五の前厄まえやくには、金瓶大黒きんぺいだいこくの若太夫と心中沙汰になった事もあると云うが、それから間もなく親ゆずりの玄米くろごめ問屋の身上しんじょうをすってしまい、器用貧乏と、持ったが病の酒癖とで
老年 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
その他厄年やくどし前厄まえやくの者が厄けのために何かすることがあるか。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「本年は前厄まえやくでございます」
才兵衛は来年が四十一の前厄まえやくに当たると云うので成田の不動へ参詣に行って、その帰り道に堀江の宇兵衛をたずね、お熊の主人という縁をたどって、首尾よく雁の羽を手に入れて来たのである。
半七捕物帳:61 吉良の脇指 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「すると前厄まえやくか」