トップ
>
刻下
>
こっか
ふりがな文庫
“
刻下
(
こっか
)” の例文
人は、ようやくの思いで
刻下
(
こっか
)
の志を
遂
(
と
)
げると、すぐ反動が来て、かえって志を遂げた事が急に
恨
(
うら
)
めしくなる場合がある。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかも一日も
晏如
(
あんじょ
)
たるは得ない
刻下
(
こっか
)
にあって、こういう老人をつかまえて
癇
(
かん
)
を
尖
(
とが
)
らせていたことの何たる愚ぞや——と自嘲を覚えるとともに、秀吉にたいする敵意は
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
とっさの場合、彼女はただ夫の他の半面に応ずるのを、ここへ来た
刻下
(
こっか
)
の目的としなければならなかった。彼女は
蒼白
(
あおしろ
)
い
頬
(
ほお
)
に無理な微笑を
湛
(
たた
)
えて津田を見た。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
愛は
迷
(
まよい
)
である。また
悟
(
さと
)
りである。愛は天地
万有
(
ばんゆう
)
をその
中
(
うち
)
に吸収して
刻下
(
こっか
)
に異様の生命を与える。
故
(
ゆえ
)
に迷である。愛の
眼
(
まなこ
)
を放つとき、
大千世界
(
だいせんせかい
)
はことごとく
黄金
(
おうごん
)
である。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
俗人はその時その場合に書いた経験が一番正しいと思うが、大間違である。
刻下
(
こっか
)
の事情と云うものは、
転瞬
(
てんしゅん
)
の
客気
(
かっき
)
に駆られて、とんでもない
誤謬
(
ごびゅう
)
を伝え勝ちのものである。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
貴重な時間を無駄に費やさせられたあげく、頼むようにして帰って貰った彼の
後姿
(
うしろすがた
)
を見送った津田は、それでももう少しで
刻下
(
こっか
)
の用を弁ずるために、小林を利用するところであった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
刻
常用漢字
小6
部首:⼑
8画
下
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
“刻下”で始まる語句
刻下感