さば)” の例文
工藝に関するいかなる批評家もこの問題に会する時、ついに自らの力に最後のさばきを受ける。すべての者はこの問題の前において自ら懺悔ざんげする。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
さば
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
人々は自然に知を委ねるのではなく、知によって自然をさばこうとする。だが自然への帰依なくして美が生れようか。神への帰依なくして、信はあり得ない。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
こういう信仰を土俗的とか迷信とかいって一途いちずさげすむくせがあるが、そんな安価な見方で農村の暮しをさばいていいだろうか。そのことの方が私には問題である。
陸中雑記 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
同じように知にさばかれたる美は、自然の前には醜きものと呼ばれるであろう。
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
既に受取られる誓約のもとで、凡てのものが生れて来ているのであると。現世では美醜の争いに苦しむが、仏の国ではそんな争いがもともとない。これが美しい彼が醜いとさばかれるものがない。
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
それなのに小さな自我を立てて、美醜を分けてものをさばこうとする。強いて難行を試みるようなものである。それ故港に着く者がほとんどいないのである。多くの者は迷ったままたおれてしまう。
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)