出向でむか)” の例文
あついからむねをはだけて、尻端折しりはしよりで、すた/\と出向でむかはれた。かへりには、ほこりのひどさに、すつとこかぶりをしてられたが
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
グレ はて、つとへば不動ゐすわりぢゃがや。不動ゐすわり立往生たちわうじゃうぢゃ。出向でむかうてかけんけりゃ鬪爭けんくわにァならぬわい。
男「へえー彼方様あっちゃさまめえりますといず此方こっちゃから出向かれまして、えずれ御相談致しますと、そりゃはや何事も此方から出向でむかれましてと斯様かようにしば/\と申されまして、宜しくと仰せ有りましたじゃと」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
もっとも白山へ来訪をうけた尼刀自とじへ返礼に出向でむかいたいのに、いつわりはないのですが、そんな事はどうでもいい。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)