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八端
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はったん
ふりがな文庫
“
八端
(
はったん
)” の例文
私は、
八端
(
はったん
)
の黒い風呂敷を持って、まちへ牛肉を買いに行き、歩きながら、いろいろ考えごとをしていて、ふと気がつくと、風呂敷が無い。
春の盗賊
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「寒くなるから……」と云って、
八端
(
はったん
)
のドテラをかたみに置いて俊ちゃんは東京をたってしまった。私は朝から何も食べない。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
小袖は二枚で、一枚は
白綾
(
しろあや
)
、一枚は
八端
(
はったん
)
、それに血のあとが残っていると云いますから、恐らく吉良が
最期
(
さいご
)
のときに身につけていたものでしょう。
半七捕物帳:61 吉良の脇指
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
河岸
(
かし
)
のそろいの浴衣に
八端
(
はったん
)
の三尺、脚絆がけ、手に菅笠をもったそのときのかれのいでたちであった。
春泥
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
八端
(
はったん
)
のどてらにその醜悪な肉体を包みながら、いかさま上方くだりの絹あきんどといったふうに化け込んで、当のその八つ化け仙次がやにさがっていたものでしたから
右門捕物帖:09 達磨を好く遊女
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
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八端
(
はったん
)
のねんねこを引っかけて、
曲彔
(
きょくろく
)
によりかかり、
高脚
(
コップ
)
のお酒を飲みながら腕を裂かれていた。
旧聞日本橋:14 西洋の唐茄子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
私は厚い
八端
(
はったん
)
の
座蒲団
(
ざぶとん
)
の上にともかくも坐って、女中の静かに
汲
(
く
)
んで出した暖かい茶を
呑
(
の
)
んでから、さっき女と電話で約束した会合の場所が、そこからすぐ近いところなので
黒髪
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
八端
(
はったん
)
の寝巻きに、小帯を前にむすんだ惣七である。よく見えない眼をこすって、縁の障子をあけた。日光が、待ちかまえていたように、音をたてて飛びこむ。微風が、ねまきの
裾
(
すそ
)
をなめた。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
闇太郎は
八端
(
はったん
)
がらの、あまり大きくない座布団を、雪之丞のために進めた。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
ラクダの
頸
(
くび
)
巻きをして、外国人のような高い鼻をもった大きな人だったが、家にいる時は冬は糸織のねんねこを着、夏は
八端
(
はったん
)
の平ぐけを締めて、あんまり話はしないが細かく気のつく人だった。
旧聞日本橋:18 神田附木店
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
八
常用漢字
小1
部首:⼋
2画
端
常用漢字
中学
部首:⽴
14画
“八”で始まる語句
八
八幡
八百屋
八釜
八歳
八重
八卦
八百万
八丁堀
八代