充実じゅうじつ)” の例文
旧字:充實
真の勝利は、相手をにくみ、がむしゃらに相手に組みつくだけでは、決して得られるものではない。自分みずからを充実じゅうじつさせることのみが、それを決定的にするのだ。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
シャブルボオドをして遊んでいれば、暑さなど、おもってもみない、楽しさで充実じゅうじつした時間でした。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
単純な充実じゅうじつした生活をする農家が今勝誇かちほこる麦秋の賑合にぎわいの中に、気の多い美的百姓は肩身狭く、つかれた心と焦々いらいらした気分で自ら己をのろうて居る。さっぱりと身を捨てゝ真実の農にはなれず。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
○ベースボールに要するもの はおよそ千坪ばかりの平坦なる地面(芝生しばふならばなおし)皮にて包みたる小球ボール(直径二寸ばかりにして中は護謨ゴム、糸のたぐいにて充実じゅうじつしたるもの)投者ピッチャーが投げたる球を
ベースボール (新字新仮名) / 正岡子規(著)
朝からばんまでわたしの心はいつも充実じゅうじつしきっていた。
たがいに塾そのものの内容をいっそう充実じゅうじつさせるためにも、また、双方そうほうの塾生が地方に帰ってから気持ちよく提携ができるようにするためにも、今後は二つの塾がもっと連絡を密にする必要がある
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)