修養しゅうよう)” の例文
ことごとくこの議論には敬服けいふくはせられぬけれども、議論にあらずして実際において、劣等人種れっとうじんしゅもしくは修養しゅうようなき者は感情ことに小さな女々めめしい感情に左右せらるること多きを思って
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
前の方のは臆病おくびょうで気の毒な性質の人ゆえ、まあまあ我慢がまんして家でカンシャクを起さしてやるのが愛だが、後のは持前もちまえの性質ゆえ修養しゅうようとか信仰とかを勧めて、根本的に直すのが愛である。
良人教育十四種 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
鞺鞳とうとうたるたきの水にうたれてどくが洗われたためか——あるいは、竹童の精神を修養しゅうようさせる果心居士かしんこじの心で、居士が、神力をもって癒やしたものか、とにかく、竹童はおのれの目の見えるのをうたが
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もっとも秀吉ばかりでなく、およそ戦国の世に男とうまれ武士の子と生まれたほどの者は、みな、陣太鼓じんだいこが三ツ鳴るあいだに、具足着ぐそくきこみのできるくらいの修養しゅうようを、ふだんのうちにつんでいた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)