依然やはり)” の例文
恁な變樣かはりやうをする位なら、寧ろ依然やはり『眠れる都會』であつて呉れた方が、自分並びに『美しい追憶の都』のために祝すべきであるのだ。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
すると筑波は「久しゅう逢わなんだねえみいちゃん。何様どうしたんだえ。よう帰ってお出でだ」と云いそうに依然やはりゆったりとして気高く清く眺められた。
漁師の娘 (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
お杉は依然やはり笑って答えず、腰にぶら下げた皮袋から山毛欅ぶなの実を把出とりだして、生のままで悠々とかじり初めた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
アンドレイ、エヒミチは依然やはり相手あひてかほずに、知識ちしきあるもの話計はなしばかりをつゞける、ミハイル、アウエリヤヌヰチは注意ちゆういしていてゐながら『れは眞實まつたくです。』と、ばかりを繰返くりかへしてゐた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
こん変様かはりやうをする位なら、寧ろ依然やはり『眠れる都会』であつて呉れた方が、自分並びに『美しい追憶の都』のために祝すべきであるのだ。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
漸々やう/\開園式が濟んだ許りの、文明的な、整然きちんとした、別に俗氣のない、そして依然やはり昔と同じ美しい遠景を備へた此新公園が、少からず自分の氣に入つたからである。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
漸々やうやう開園式が済んだ許りの、文明的な、整然きちんとした、別に俗気のない、そして依然やはり昔と同じ美しい遠景を備へた此新公園が、少からず自分の気に入つたからである。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)