何品なにしな)” の例文
ドウしたってこの幕府と云うものはつぶさなくてはならぬ。も今の幕政のざまを見ろ。政府の御用と云えば、何品なにしなを買うにも御用だ。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
何品なにしなに依らず万已むを得ない物の外は、人が持つて来ても拒絶した。とう/\一週間に一度貰ふ黒パンの外には何品をも受けぬやうになつた。
是れは木挽町こびきちょう三丁目の岡村由兵衞おかむらよしべえと云う袋物商ふくろものやと云うとていが宜しいが、仲買をしてお出入先から何品なにしなをと云うと、じき宮川みやがわへ駈付けるという幇間おたいこ半分で面白い人で、また一人は伴廻ともまわ
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
たとえば飲みたい食いたい、それについては金をもうけたい、金を儲けるために何品なにしなを幾円で買い、これを幾円で売れば幾円をもうけるという具体的問題ありとする。この動機は飲食のよくである。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
たとえば或る少年か少女かが、何品なにしなかを不良少年に捲き上げられる。
東京人の堕落時代 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)