伊尹いいん)” の例文
伊尹いいんの使った料理鍋、穿いたカナカンジキだのというようなものを素敵に高く買わすべきで、これはこれ有無相通、世間の不公平を除き
骨董 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
真に、故主の遺言にこたえ、蜀のみなしごを大事と思わば、なぜ伊尹いいん、周公にならい、その分を守り、自らの非を改め、徳を積み功を治世に計らぬか。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
由井民部之助橘正雪張孔堂ゆいみんぶのすけたちばなのしょうせつちょうこうどう、十能六芸伊尹いいん両道、仰げば天文俯せば地理、武芸十八般何流に拘らず他流試合勝手たるき事、ただし真剣勝負仕る可き者也
正雪の遺書 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
また殷のとう王が天下を治めた時、衆人の中から賢人伊尹いいんを挙げて宰相に任じたら、不仁者がすがたをひそめたのだ。
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
上は天文下は地理、武芸十八般伊尹いいん両道、陰陽の原理人相手相、占術せんじゅつ禁厭まじない方宅ほうたくから、仏教儒教神道に及び、兵法ではくすのき流、究めていないものはない。そういう俺だ。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
昔、いん太甲たいこう無道むどうでありしため、伊尹いいんこれを桐宮とうきゅうに放ち、漢の昌邑しょうゆうが王位に登って——
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)