仲間体ちゅうげんてい)” の例文
竹の笠を被って紺看板こんかんばんを着て、中身一尺七八寸ぐらいの脇差を一本差して、貧之徳利を一つ提げたお仲間体ちゅうげんていの男でありました。
と是から二人ともになだれの崖縁がけべりりにかゝると、手拭ですっぽり顔を包み、紺の看板に真鍮巻しんちゅうまきの木刀を差した仲間体ちゅうげんていの男が、手に何か持って立ってる様子
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
二人の侍も小平太が門をはいるまでじっと後を見送っていたが、仲間体ちゅうげんていではあるし、状箱は持っている、別に胡乱うろんとも思わなかったか、そのままきびすを返して行ってしまった。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
仲間体ちゅうげんていの男が駈けつけて来た。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
と馬作をさとして居りますと、其の内に足音がしますから、山三郎は格子のすきから見ると、先へ麻衣あさごろもを着た坊主が一人に、紺看板に真鍮巻の木刀を差した仲間体ちゅうげんていの男が
それぞれ用心して来たらしい仲間体ちゅうげんていのものでありました。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
娘「はい、飛んだ事を致しました、かつがれてく時、帯の間にはさんで居りましたのを、仲間体ちゅうげんていの者が手を入れて抜出して持ってきました、何うしたらうございましょう」