仕遂しおお)” の例文
自分の病気がえきったその時を見ているがいい。どうして倉地をもう一度自分のものに仕遂しおおせるか、それを見ているがいい。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
大「十分事を仕遂しおおせました時には、どうか拙者にこれ/\ののぞみがございますが、おかなえ下さいますか」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
彼れは場主と一喧嘩ひとけんかして笠井の仕遂しおおせなかった小作料の軽減を実行させ、自分も農場にいつづき、小作者の感情をも柔らげて少しは自分を居心地よくしようと思ったのだ。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
其の年の秋までに謀策たくみ仕遂しおおせるのに一番むずかしいものは、浮舟うきふねという老女で年は五十四で、男優おとこまさりの尋常ひとゝおりならんものがいて居ります。此者これを手に入れんければなりません。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
此の日道具係の千代は一生懸命に、何卒どうぞ無事に役を仕遂しおおせますようにと神仏に祈誓きせいを致して、皿の毀れんように気を附けましたから、麁相そそうもなく、の皿だけはさがってまいります。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)