仁平にんぺい)” の例文
遠き故事を引くにも及ばず、近きためしは源氏の末路まつろ仁平にんぺい久壽きうじゆの盛りの頃には、六條判官殿、如何いかでか其の一族の今日こんにちあるを思はれんや。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
あの名高い江家ごうけ文庫が、仁平にんぺいの昔に焼亡して、とびらを開くいとまもなく万巻の群書片時に灰となったと申すのも、やはりうまの刻の火であったことまでが思い合わされ
雪の宿り (新字新仮名) / 神西清(著)
仁平にんぺい三年正月、忠盛は、五十八歳で死に、息子の清盛きよもりが、跡を継いだ。
久安六年正月六日正五位下、翌仁平にんぺい元年正月六日従四位下。仁平三年四十歳、院の仰せにより『久安六年百首』を部類分けして奉った。仁安にんあん二年、清盛太政大臣となった年、俊成と改名、五十四歳。
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)
それから年のこよみが四たび変わって、仁平にんぺい二年の春が来た。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
あの名高い江家ごうけ文庫が、仁平にんぺいの昔に焼亡して、とびらを開くいとまもなく万巻の群書片時に灰となつたと申すのも、やはりうまの刻の火であつたことまでが思ひ合はされ
雪の宿り (新字旧仮名) / 神西清(著)