丹波酸漿たんばほおずき)” の例文
しかし丹波酸漿たんばほおずきを畠で作り出したのは後のことで、店や縁日えんにちで売るようになったのは、都会でもそう古くからではないのである。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
丹波栗たんばぐり丹波酸漿たんばほおずき丹波焼たんばやき丹後縞たんごじま丹後紬たんごつむぎ丹後縮緬たんごちりめん但馬牛たじまうしなど、皆よく響き渡った名であります。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
「その八俣の大蛇というのはどういう形をしているのですか」とお尋ねになつたところ、「その丹波酸漿たんばほおずきのように眞赤まつかで、身體一つに頭が八つ、尾が八つあります。 ...
「此はお嬢様に」と婦人が取出とりだしたのは、十七八ずつもった丹波酸漿たんばほおずきが二本。いずれもあかいカラのまゝ虫一つ喰って居ない。「まあ見事みごとな」と主婦が歎美の声を放つ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
娘の一人が口にふくんでいる丹波酸漿たんばほおずきふくらませて出して、泉の真中に投げた。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)