中脊ちゅうぜい)” の例文
おかの麦畑の間にあるみちから、中脊ちゅうぜい肥満ふとった傲慢ごうまんな顔をした長者が、赤樫あかがしつえ引摺ひきずるようにしてあるいて来るところでありました。
宇賀長者物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
田中という中脊ちゅうぜいの、少し肥えた、色の白い男が祈祷きとうをする時のような眼色をして、さも同情を求めるように言った。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
被害者大原は中脊ちゅうぜいの、でっぷりふとったあから顔の紳士で、額の生え際は大ぶ禿げ上っていた。
謎の咬傷 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)