下剤げざい)” の例文
それからそれへと忙がしく心を使わせられた彼がこの下剤げざいから受けた影響は、ほとんど精神的にゼロであったのみならず、生理的にも案外微弱であった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
このときはちょうど『下剤げざいをかけた病人』という芝居しばいをやっている最中さいちゅうでツールーズでははじめての狂言きょうげんなので、見物もいっしょうけんめいになっていた。
最初下剤げざいをかけてまず腸を綺麗きれいに掃除しておいて、それからいよいよ切開すると、出血の危険があるかも知れないというので、創口きずぐちへガーゼをめたまま
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
なぜと申せば、音に名高き大先生たるカピぎみが、鼻の先に口輪をかけておりましては、どうして不幸ふこうなるジョリクールが服すべき下剤げざいの調合を命ずることができましょう。
病人にすすめてよくその苦痛くつうやわらぐる下剤げざいを服用させることができましょうや。