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一層
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ひとしほ
ふりがな文庫
“
一層
(
ひとしほ
)” の例文
『はあ。』と答へた時は若々しい血潮が
遽
(
にはか
)
にお志保の頬に上つた。そのすこし
羞恥
(
はぢ
)
を含んだ色は
一層
(
ひとしほ
)
容貌
(
おもばせ
)
を娘らしくして見せた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
表通を歩いて絶えず感ずるこの不快と嫌悪の情とは
一層
(
ひとしほ
)
私をして其の陰にかくれた路地の光景に興味を持たせる最大の理由になるのである。
路地
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
それだけに京へはひつたとなると、恋しさも亦
一層
(
ひとしほ
)
だつた。男は妻の父の屋形へ無事に妻を送りこむが早いか、旅仕度も解かずに六の宮へ行つた。
六の宮の姫君
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そも一秒時毎に、
汝
(
なれ
)
と遠ざかりまさるなりなど、吾れながら日頃の雄々しき心は
失
(
う
)
せて、
児
(
じ
)
を産みてよりは、世の常の婦人よりも
一層
(
ひとしほ
)
女々
(
めゝ
)
しうなりしぞかし。
母となる
(新字旧仮名)
/
福田英子
(著)
其日校長の演説は忠孝を題に取つたもので、例の
金牌
(
きんぱい
)
は胸の上に懸つて、
一層
(
ひとしほ
)
其風采を教育者らしくして見せた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
又は今夜の何時、何處其處で待つて居てくれとの
會合
(
ランデヴー
)
にも、私は唯だ逢ふと云ふ望みを前にしたゞけで、却て空しく、待ち明かす恨みの方が、
一層
(
ひとしほ
)
深い記憶を殘すであらうと思ふ事さへあつた。
歓楽
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
敬之進の病気、継母の家出、そんなこんなが一緒に成つて、
一層
(
ひとしほ
)
お志保の心情を
可傷
(
いたは
)
しく思はせる。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
別れし後のさびしさ又
一層
(
ひとしほ
)
の切なさや。
偏奇館吟草
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
“一層”の意味
《名詞》
一層(いっそう)
一つの層。
《形容動詞1》
一 層(いっそう)
ひときわ。さらに。ますます。
《形容動詞2》
一 層(いっそ、いっそう)
むしろ。思い切って。
(出典:Wiktionary)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
層
常用漢字
小6
部首:⼫
14画
“一”で始まる語句
一
一人
一寸
一言
一時
一昨日
一日
一度
一所
一瞥