“ノリト”のいろいろな漢字の書き方と例文
ひらがな:のりと
語句割合
祝詞50.0%
宣処12.5%
詔座6.3%
詔旨6.3%
宣命6.3%
6.3%
神言6.3%
詔門6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かうして、日本に出来て来た口頭の文章が、古いことばで言ふと寿詞ヨゴトである。寿詞といふのは、只今の祝詞ノリトの本の形である。
万葉集の解題 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
次に此「のりと」といふ語の語義は、昔から色々に解説せられてゐるが、のりととは、初春に当つて、天皇陛下が宣処ノリト即、高御座に登られて、予め祝福の詞を宣り給ふ、其場所のことである。
神道に現れた民族論理 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
即、「アマ詔座ノリト」と名づける神事の一様式を、天上にもあることを想像して居たのである。さう言ふのりとごとの性質上、荘厳な讃辞を加へるのが常である。
日本文学の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
詔座ノリトにおける発言に慣用せられた詞章コトが、のりとごとであり、其名がくり返されて耳に馴れるに連れて、下部省略が行はれて、のりとと言ふ語形を採るやうになる。
日本文学の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
詔旨ノリト奏詞ヨゴトとの間に「護詞イハヒゴト」と言ふものがあつて、古詞章の一つとして行はれて居た。
(イ)のほくは寿詞ヨゴトであり、(ロ)のほくは、宮廷では、のりと——斎部祝詞の類——に含めてよごとと区別して居た。詔旨ノリト寿詞ヨゴトとの間に、天神に仮託した他の神——とこよ神の変形。
宮廷の大事なる受朝朝賀の初春の宣命ノリト奏寿ヨゴト——元日受朝の最大行事であつた事は後の令の規定にまで現れてゐる——の印象が、此を区別する習慣を作つて行つたものと思はれる。
「其音ノリトに似て、又歌声にワタる」と評した位だ。語部は、宮廷に於てさへ、事実上平安期には既にほろびて、猿女サルメの如きも、大体伝承を失うて居た。まして、地方は甚しかつたであらう。
上として諷誦の責任のあつた前代の奏寿其他の天子を対象とする呪言ヨゴト、氏人に神言ノリトなどは、新作を以てする様になつても、特別の心構へを以てせねばならなかつた。
風土記などにも夙く、出雲意宇オウ郡に詔門ノリト社の名が見えてゐる。其機能は知れぬが、速魂社と並んで居る処を見ると、呪言の闘争判断方面の力を崇めたのではなからうか。