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わかごしんぞ
見れば、友禅の
炬燵蒲団に胸を
埋めて、ちょっと澄まし気味の
丸髷の
若御新造が、こっちの入るときからの身ごなしをにやにやと
頭の高い顔して眺めている。
此はさすがに、
井戸端で、
名のり
懸けるわけには
行かない、さりとて
用人の
若御新造、さして
深窓のと
云ふではないから、
隨分臺所に、
庭前では
朝に、
夕に、
其の
下がひの
褄の
媚かしいのさへ
さりとて
用人の
若御新姐、さして
深窓のと
云ふではないから、
隨分臺所口、
庭前では、
朝に、
夕に、
其の
下がひの
褄の、
媚かしいのさへ、ちら/\
見られる。