“ゆうぜんもよう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
友染模様50.0%
友禅模様50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
壁際に附着くッつけば、上から蜘蛛くもがすっと下りそうで、天窓あたますくめて、ぐるりと居直る……真中まんなかに据えた座蒲団ざぶとん友染模様ゆうぜんもようが、桔梗ききょうがあってすすきがすらすら、地が萌黄もえぎの薄い処
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
綺麗きれい友染模様ゆうぜんもようの背中が隠れるほど、帯を高く背負しょった令嬢としては、言葉が少しもよそゆきでないので、姉はおかしさをこらえるような口元に、年上らしい威厳を示して、妹をたしなめた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
津田はようやく茶の間へ引き返して、先刻さっき飯を食う時に坐った座蒲団ざぶとんが、まだ火鉢ひばちの前に元の通りえてある上に胡坐あぐらをかいた。そうしてそこに燦爛さんらんと取り乱された濃い友染模様ゆうぜんもようの色を見守った。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
真澄は女と他愛のないことを話していたが、何時いつの間にか女が友禅模様ゆうぜんもようのついたきれいな布団を敷いたのでそのまま横になった。
岐阜提灯 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
一望に咲き揃っている眼もあやな自然の友禅模様ゆうぜんもよう——高い山にはよくあるお花ばたけなのである。
煩悩秘文書 (新字新仮名) / 林不忘(著)