“やよひ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
弥生57.1%
彌生38.1%
三月4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おもて八句を庵の柱に懸置き、弥生やよひも末の七日、明ぼのゝ空朧々おぼろおぼろとして、月は有明にて光をさまれるものから、不二ふじの峰かすかに見えて、上野谷中やなかの花のこずえまたいつかはと心細し。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
日は既に暮れ果てて、朧げながら照り渡る彌生やよひなかばの春の夜の月、天地を鎖す青紗の幕は、雲か烟か、た霞か、風雄のすさびならで、生死の境に爭へる身のげに一刻千金の夕かな。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
三月やよひにもなりぬ。金忠、豊雄夫婦にむかひて、都わたりには似るべうもあらねど、二四八さすがに紀路きぢにはまさりぬらんかし。二四九名細なぐはしの吉野は春はいとよき所なり。
季子すゑのこ作之治なるものが一〇生長ひととなりかたくななるをうれひて、京の人見するとて、一一一月あまり二条の別業べつげふとどまりて、三月やよひすゑ一二吉野の奥の花を見て、知れる寺院に七日ばかりかたらひ、此のついでに