“まちじゅう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
町中81.8%
市中18.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
吉原遊廓ゆうかくの近くを除いて、震災ぜん東京の町中まちじゅうで夜半過ぎて灯を消さない飲食店は、蕎麦そば屋より外はなかった。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
けれどもおふれが出て、ねこつながとけますと、方々ほうぼう三毛みけも、ぶちも、くろも、しろ自由じゆうになったので、それこそ大喜おおよろこびで、みやこ町中まちじゅうをおもしろ半分はんぶんかけまわりました。
猫の草紙 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「左様なものではございませぬ。奥方さまのお慈愛から、市中まちじゅうの捨児や親のない孤児みなしごを拾うて、養ってやるお長屋でござります」
従って、当然市中まちじゅうは大変な騒ぎとなりましたが、更に不思議な事には、翌朝になると、その耶蘇の屍体が何時いつの間にか消え失せてしまっていて、旧通もとどおり、木製の耶蘇が十字架にかかっているのでした。
夢殿殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)