“ほんざん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
本山72.7%
奔竄9.1%
梵山9.1%
高野山9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼の体は前岸かわむこうの平らかな岩の上に持って往かれた。彼は三年目にしてはじめて白竜山の本山ほんざんの中へ一歩を入れることができた。彼はよろこんで岩をつとうて往った。
仙術修業 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
いつわりとは思いも寄らねば、その心に任せけるに、さても世には卑怯ひきょうの男もあるものかな、彼はそのまま奔竄ほんざんして、つい行衛ゆくえくらましたり。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
かくて磯山は奔竄ほんざんしぬ、同志の軍用金はさらわれたり。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
此処から来路らいろを見かえると、額縁がくぶちめいた洞門どうもんしきられた宇治川の流れの断片が見える。金剛不動の梵山ほんざん趺座ふざして、下界流転るてんの消息は唯一片、洞門をひらめき過ぐる川水の影に見ると云う趣。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
時々高野山ほんざんから説教師が派出されてきた。その坊さんが若くて、学僧らしい顔付きをしていると人気があった。お婆さんたちがはしゃいだ声を出して御寄附の相談をする。