梵山ほんざん)” の例文
此処から来路らいろを見かえると、額縁がくぶちめいた洞門どうもんしきられた宇治川の流れの断片が見える。金剛不動の梵山ほんざん趺座ふざして、下界流転るてんの消息は唯一片、洞門をひらめき過ぐる川水の影に見ると云う趣。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)