“ふきおろ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
吹下60.0%
吹降20.0%
吹颪20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
風はなほよこしまに吹募りて、高きこずゑははきの掃くが如くたわめられ、まばらに散れる星の数はつひ吹下ふきおろされぬべく、層々れるさむさほとんど有らん限の生気を吸尽して、さらぬだに陰森たる夜色はますまくら
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
賤機山しずはたやま浅間せんげん吹降ふきおろす風の強い、寒い日で。寂しい屋敷町を抜けたり、大川おおかわ堤防どてを伝ったりして阿部川の橋のたもとへ出て、くるまは一軒の餅屋へ入った。
雛がたり (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「霜月に入ると寒気が厳しくなります。榛名はるな、赤城と真向から吹颪ふきおろすのが、俗に上州風と申して凛烈りんれつなものでござります。拙者どもは馴れておりますが先生には御迷惑でござりましょう」
夜明けの辻 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)