“ひさめ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
氷雨78.0%
冷雨7.3%
火雨4.9%
冰雨2.4%
大氷雨2.4%
販女2.4%
飛雨2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
みぞれまじりの氷雨ひさめが、しとしとと降っておりました。身を切るような北風が、ちぎれちぎれの灰色の雨雲をひくくはわせておりました。
闇の中に冷雨ひさめにそぼぬれていた熊笹がガサッと、人間を袈裟けさがけに切ったような無気味な音を立てた。彼は慌てて窓を締めてカーテンを素早く引いた。
軍用鼠 (新字新仮名) / 海野十三(著)
毎日ひるさがり一ときずつときめたので、近い家のときはよいが、遠いばあいは往き帰りとも汗の出るほど急がなければならない、膚を切るような風の日や、冰雨ひさめが降りつづいて道のぬかるときなど
日本婦道記:藪の蔭 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
(その王子の作れる矢は、今時の矢なり。そを穴穗箭といふ。)穴穗の御子みこ軍を興して、大前小前の宿禰の家をかくみたまひき。ここにそのかなと一八に到りましし時に大氷雨ひさめ降りき。
農業の方でいうと、馬耕牛耕の始まる以前から、代掻しろかき用に大きなマグハが用いられだすと、これをあやつるのはみな男である。販女ひさめっていちに出てくる女が元はあった。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
このとき、飛雨ひさめのように、白地きんらんの武者羽織を目標にあつまった銃弾の一つが、かれの眉間にあたった。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)