“ひきがね”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
引金32.0%
引鉄28.0%
撃鉄8.0%
曳金8.0%
退鉦4.0%
引鉦4.0%
弾金4.0%
搬機4.0%
曳鉄4.0%
関金4.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さすがのガスコも、相手がガン人とわかっては、ピストルの引金ひきがねを引くわけにいかなくなり、こんどは警備軍へひき渡すといいだした。
怪星ガン (新字新仮名) / 海野十三(著)
引鉄ひきがねをひきさえすればよいのである。なぐりこんだ島崎隊の数人が、この猟銃の散弾を、真正面から浴びた。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
シルーキン教授の胸の真中へ筒先を向けると、無情な顔つきで撃鉄ひきがねをひいた。
地底獣国 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
彼女はそれを心に感じ、安楽な落付いた気分になった。そしてねらいを定め、指で曳金ひきがねを強く引いた。
ウォーソン夫人の黒猫 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
物々しく、退鉦ひきがね打たせて、曹操はその二人をはじめ、弓に鍛えをあらわした諸将を一列に招き呼んで
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
退鉦ひきがねっ。退鉦をっ」と、程普ていふはあわてて、総退却を命じていた。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
双方、りんりの汗と炎の息の間に、時を費やすのみで、ついに勝負の決を見ず、ふたたび引鉦ひきがねのうちに陣を遠くへ退き、さて、つくづく、花和尚と共に、舌を巻いた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
伯父の高根たかね晋齋しんさいは、片手に六連発銃を持ち襖の間から狙いを定め、カチリと弾金ひきがねを引く途端、ドーンと弾丸たまがはじき出る、キャー、ウーンと娘は気絶をした様子。
しかし僕は戦慄ふるう手に力を入れて搬機ひきがねを引いた。ズドンの音とともに僕自身が後ろに倒れた。叔父さんが飛び起きた。
鹿狩り (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
曳鉄ひきがねをひく勇気はなかったらしいが、末延はおどろいて崖を踏みはずして、カルデラの底へ落ちた……まちがいはないだろう
虹の橋 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
一弾放つと、一弾こめて、火縄を点じ関金ひきがねを引くまで、かなりの時を要するのが、この時代の火器のどうしてもまぬかれ難い弱点だった。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)