“のみく”の漢字の書き方と例文
語句割合
飲食100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
卓はほとんどみなふさがっていて、湯気と煙草のけむりがもやもやしているなかで、真っ赤な顔が盛んに飲食のみくいしていた。
金狼 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
この間長きときは三十分もあらん。あたりの茶店より茶菓子ちゃがしなどもてれど、飲食のみくわむとする人なし。下りになりてよりきりふかく、背後うしろより吹くかぜさむく、忽夏を忘れぬ。
みちの記 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
程経ほどへて聞けばその浦賀で上陸して飲食のみくいした処は遊女屋だとう。れはその当時私は知らなかったが、そうして見るとの大きな茶椀は女郎の嗽茶椀うがいぢゃわんであったろう。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
とて彼方あっちいって茶屋で飲食のみくいしようと云うことは叶わぬから、例の通り前の晩に魚の残物ひけものを買て来て、そのほか、氷豆腐だの野葉物やさいものだの買調かいととのえて、朝早くから起きて怱々そうそうに拵えて
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)