-
トップ
>
-
どくきやう
何事もなく一年すぎて千部
読経のすみし月に
件の石又川中にあらはるゝ、其翌年はたして
遷化なりと。
或年の住僧此塔の出たる時天を拝していのる、我
法華千部
読経の
願あり、今一年にして
満り、何とぞ命を今一年
延し玉へと念じて、かの塔を川中の
淵に
投こみたり。
ば
寶澤と改めける感應院は元より妻も子もなく
獨身の事なる故に寶澤を
實子の如く
慈みて
育けるが此寶澤は
生ながらにして
才智人に
勝れ
發明の性質なれば
讀經は
云に
及ず其他何くれと
教るに一を