読経どくきやう)” の例文
旧字:讀經
薄暗い穹窿きゆうりゆうもとに蝋燭の火と薫香の煙と白と黄金きんの僧衣の光とが神秘な色を呈して入交いりまじり、静かな読経どくきやうの声が洞窟の奥にこだまする微風そよかぜの様に吹いて居る。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
或年あるとしの住僧此塔の出たる時天を拝していのる、我法華ほつけ千部読経どくきやうぐわんあり、今一年にしてみてり、何とぞ命を今一年のばし玉へと念じて、かの塔を川中のふちなげこみたり。
何事もなく一年すぎて千部読経どくきやうのすみし月にくだんの石又川中にあらはるゝ、其翌年はたして遷化せんげなりと。
或年あるとしの住僧此塔の出たる時天を拝していのる、我法華ほつけ千部読経どくきやうぐわんあり、今一年にしてみてり、何とぞ命を今一年のばし玉へと念じて、かの塔を川中のふちなげこみたり。
何事もなく一年すぎて千部読経どくきやうのすみし月にくだんの石又川中にあらはるゝ、其翌年はたして遷化せんげなりと。